建築一式工事は万能薬ではありません
建築一式工事の勘違い
多くの建設業者さんで勘違いされている建設業許可の業種!
それが、
「建築一式工事」
建築一式工事で建設業許可を取得すると
「何でも工事の受注ができる。」
と勘違いされている建設業者さんは
多く見受けられます。
まずは、建築一式工事のおさらいから。
下記からご確認いただけます。
建築一式工事の大前提とは?
①元請けとして工事を受注していること |
②建築する中で、企画・調整の役割をしている |
①の元請けについては、原則としてで例外もありますが、
基本的にはこのルールがあります。
②については、下請けを使うなど総合的な立場で
建築に関わることとなります。
よくあるご相談例
大手の建設業者さんから下請けで、
建築一式工事を受注しているというケースです。
ご相談いただく建設業者さんからすると
「建築一式工事の許可を取りたい。」とご相談されます。
よくよくお聞きすると、
マンションなど部屋の一室について、
あらゆる工事を全て任されるといった内容です。
この工事について「建築一式工事」と捉えておられます。
例えば、内装工事がメインで
その他の電気工事や管工事などもトータルで
工事されるということです。
しかしこの場合、元請けとして
工事を受注していない段階で建築一式工事には
当てはまらないのが建設業許可での考え方です。
工事の業種を間違っているとどうなるのか?
建築一式工事として仕事をしていると思って、
建設業許可が必要になりその申請をする場合、
次の点で悩むことがあるかもしれません。
①元請けとして受けていないので建築一式工事の許可が取れない |
②実務経験での専任技術者の場合、業種の判断は慎重を要する |
③元請けから言われて許可を取得する場合、取得した業種では意味をなさないかもしれない |
大手の建設業者さんから許可取得を催促された場合、
大手の建設業者さんは通常元請けとして工事を受注しています。
つまり、許可をこれから取得したい業者さんからすると
元請けと下請けの関係です。
元請けの建設業者さんは建築一式工事を下請けに
丸投げ発注することは禁じられています。
建設業許可をこれから取得したい建設業者さんが
建築一式工事の建設業許可を取得すると、
大手の建設業者さんは建築一式工事の建設業許可を取得した
下請けの建設業者さんに建築一式工事を丸投げしていることになります。
また、工事の一部を下請けに発注している場合、
それは、専門業種(専門工事)を発注していると考えます。
では、どのように考えたらよいのか?
元請けとして家を建てる場合や、
大規模修繕する場合など
元請けとして何かをするなら建築一式工事です。
しかし、元請けとしての建設業者さんが常にいる場合は、
その下請けとして工事を受注している以上、
それは専門工事の業種の建設業許可を取得することが
意味を持つ形となります。
また、複数の工事が絡む場合、
先ほどの内装工事をメインとして、
電気工事や配管などの管工事もする場合、
これは内装工事に付随して他の工事をしていると考えますので
メインの業種の工事の建設業許可を取得していれば
大丈夫という考え方になります。
このような判断は、
時として難しく建設業許可を取得したけど、
意味のない建設業許可となりかねないので
十分に注意すべき点となります。